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和矢君、Happy Birthday★☆.゜.☆★.゜。★☆。
マリナシリーズ正統ヒーローの生誕祭を
たのしく愉快にお祝いしたいと思います♪
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和矢BD創作「三人の和矢」
オレは、ある朝、目が覚めた。
すると……。
「なんだよ、これ!?」
「なんだよ、これ!?」
「なんだよ、これ!?」
ベッドに起き上がるオレの目の前には、同じように足元に起き上がったオレの顔が見える。
しかも、視界の端には、壁際に背を持たれるようにしてのけぞっているもう一人のオレまでいるのだ!
これは一体どういうことだ!?
「おまえ、だれだ!?」
オレがたずねると、残りの二人も一斉に叫ぶ。
「おまえ、だれだ!?」
「おまえ、だれだ!?」
見事にシンクロしたその声に、オレは一瞬目の前が真っ白になる。
目を何回か満身の力を込めてぱちくりとしばたいた。
――これは夢だ。きっとそうだ。
オレはまだ寝ているんだ。
昨日、疲れすぎたかな。
大学行って、遅くまでゼミでつめてたのに、そのあとも家に帰ってから、参考書を一冊読破して、気がついたら夜中になっちまってたから、きっと頭がショートしちまったんだ。
寝よう。
そうしたら、きっと夢も覚める。
オレは、布団をつかんでごろんと寝た。
すると、つんつんと布団が変な方向にひっぱられた。
それは足元の方向と、壁際の方向。
まさか……と思って見やると、それぞれの方角にいるオレらしき二人が、一人はベッドを逆さに、一人は壁にすり寄るようにして寝っ転がっていた。
「……おい、うそだろ?」
「……おい、うそだろ?」
「……おい、うそだろ?」
再び、見事なシンクロする声。
オレは胃の中が誰かによってかき回されたような不快感を覚えて、ぐえっと吐きそうになり、仰向けになったまま目を閉じて口を手で押さえた。
――なんだ、これは。
オレはいったいどうなっちまったんだ。
右足を伸ばしてつんつんとすれば、足元にいる人間の存在を確かに感じるし、左足を同じように伸ばせば、やっぱりそこにもうひとりいる。
間違いない。これは夢じゃないんだ。
オレはため息をつきながら起き上がった。
「ちっくしょう…なんなんだよ…っ!」
他の二人も同時に起き上がる。
「ちっくしょう…なんなんだよ…っ!」
「ちっくしょう…なんなんだよ…っ!」
自分と同じ声が三つ聞こえるこの不可思議な現象をなんといっていいのだろうか。
オレは頭を抱え込んだ。
しばしそのままベッドの上でじっとしていて、そーっと腕を解いて顔を上げてみた。
――どうか、消えていてくれ。
オレは祈った。
が、その数秒後、オレの祈りは無残に散った。
……やっぱりいるのだ。オレがあと二人。
「おまえら、誰?」
オレの姿をした二人も同じように言う。
「おまえら、誰?」
「おまえら、誰?」
再びオレはため息を吐く。
聞いてもムダか。
と思った途端、足元のオレが言った。
「聞いてもムダか」
ぎょっとした。
すると、壁際のオレが今度は言った。
「そうだ、ムダなことはやめろよ。おまえいつもマリナにそう言ってるだろ?」
な、な、な……?
あまりのことにオレが声を失っていると、足元のオレがあははと笑った。
「マリナとオレは違うよ」
壁際のオレが口を尖らせる。
「へえ、どう違うんだ?」
足元のオレが答える。
「マリナの良さはオレが一番知ってる。マリナを一番愛してるのはオレだからだ」
途端、壁際のオレが気色ばんで立ちあがった。
「マリナを一番愛してるのはオレだ!」
たちまち足元のオレも立ちあがった。
「ふざけるな、マリナを一番愛してるのは、このオレ、黒須和矢だ!」
「オレが本物の黒須和矢だ! マリナはオレのものだ!」
「オレが本物だ!」
ベッドの上で、おそろいのスカイブルーのパジャマを着たふたりは両手を拳に固めてファイティング態勢!
オレはあっけにとられて、その様子を眺めていたけれど、ややして正気に返って、それから冗談じゃないと思った。
だめだ、これ以上、付き合ってられるか!
オレは慌ててベッドから降りた。
やつらもベッドから降りてくるが、オレは一瞬早く、クローゼットを開けて、一着しかないライダースジャケットを羽織る……
と思ったら!
ライダースジャケットまで、クローゼットのポールに三着かかっているじゃないか!
もしかして、と思ったオレは、着替えをすませて外に出て、案の定、バイクが三台止まっているのを見たときは、さすがに卒倒しそうになった。
――しっかりしろ、オレ。
そうだ、マリナに会いに行こう。
彼女ならオレが本物だってことを証明してくれるはずだ!
「オレも行く!」
「オレが一番早くマリナに会うんだ!」
やつらもエンジンをスタートさせる!
閑静な住宅地の街道を、たちまち三台のバイクでオレ達は並んだ!
くっそ負けるもんかーって、そういう問題じゃない。
マリナ、この状況からオレを助けてくれ、頼む!
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