ペルデュの森 ４
《ご注意》シャルマリ二次創作です。苦手な方は閲覧をご遠慮ください。和矢とはあれ以来、一度だけ連絡をとった。一ヶ月後、彼から電話がかかってきたの。「いたのか」そう一言いって、和矢はため息を吐いた。そのため息は、安堵したような、がっかりしたような、受話器越しのあたしには彼の考えが全く読めないため息だった。あたしが薫の元に行ったのを知ってる？そう思ったけれど、あたしはそれを口にしなかった。ただ、「突然別れ...
View Articleぺルデュの森 最終話
《ご注意》シャルマリ二次創作です。苦手な方は閲覧をご遠慮ください。ロサンゼルス空港でツアーは解散となったため、あたしはどうやって市内にむかったらいいのか途方にくれた。同じツアーだった女の子たちに混ぜてもらって、なんとかハリウッド市内までたどり着いた。目を上げれば、前方の山にはアルファベットで「Hollywood」の文字が。ああ、来たんだなぁと感激しつつも、あたしはちょっと拍子抜けしていた。だってね、...
View Article【美馬様BD創作】誕生日越しのプロポーズ
《ご注意》新花織二次創作、美馬×花純です。R指定なし。 2018美馬様生誕祭記念創作 誕生日越しのプロポーズ「大、大、大～っ嫌い！」 叫んで、私は電話を叩きつけるように切った。 もう我慢できない。 これで何度目だと思ってるの!? 仕事だっていったら、いつでも私が笑ってゆるすと思っているなら、冗談じゃないわ。 私だって仕事をちゃんと終えて、その上で時間を作っているのよ。...
View Articleパラドクス☆インポッシブル ２６
《ご注意》シャルマリ・銀バラ二次創作です。かつ本作品はフィクションです。楽しく読んでください。病院に到着すると、和矢から連絡が入っていたのか、イツキが玄関口で立っていた。「ようこそ。待っていたよ」とても優しい笑顔であたしを迎えてくれた。シャルルを刺してしまったあたしを責める様子なんてこれっぽっちも見えない。ああ、みんな、なんていい人なんだろう。ありがたすぎて、涙がでちゃう……「シャルルはどう？」イツ...
View Article綺麗に抱かれたい 第二話
《ご注意》シャルマリ二次創作です。大人向け。 第二話 「腹が減ったな」 オレは立ち上がり、冷蔵庫に向かった。安っぽい膝下丈の冷蔵庫を覗き見るために腰をかがめたが、中には飲み物しか入っていない。わずかばかりのツマミはあるが、食指は湧かなかった。 「ルームサービスを取る？ お寿司とかサンドイッチとかあるみたいよ」...
View Article綺麗に抱かれたい 第三話
《ご注意》シャルマリ2次創作。大人向け。第三話市ヶ谷のファミリーレストランに入った。マリナが昔から住んでいた飯田橋からすぐ近く、車で四五分の距離だ。店に駐車場はないため、路上パーキングが夜間は無料なので、車は路上に止めた。深夜の店は空いていた。マリナはサラダとドリンクバーを注文したのみで、これはオレにとってかなり意外だった。「それだけでいいのか？」「今何時だと思ってるの」「10時48分」「こんな時間...
View Article綺麗に抱かれたい 第四話
《ご注意》シャルマリ2次創作。大人向け。第四話オレたちは国立のはずれにある響谷家に着いた。以前、住人から聞いていた通り、陰気臭い家だった。鬱蒼と茂った森の中にある、巨人のねぐらという言葉がぴったりとくる。「びっくりした。なんだい、ふたりそろって朝から」響谷薫は、オレたちの訪問に驚きを隠さなかった。「マリナが君に会いたいというので来た。君に会うまでは、金輪際喋らないと言い張るから」「ほほう」マリナはバ...
View Article綺麗に抱かれたい 第五話
《ご注意》シャルマリ2次創作。大人向け。第五話オレは巽と一緒に、テラス席で庭を見ていた。「それにしても驚きましたね。マリナがあんなことをいいだすなんて」「本当だね」「二人にして大丈夫でしょうか。カオルは」「大丈夫だよ。あれはそれほど弱くはない」巽は穏やかに笑って、アイス・ティーを飲んだ。オレは少し間をもたせてから、話を続けた。「あなたがたの話は、マリナにとって衝撃だったようですね」「そうだろうか」「...
View Article綺麗に抱かれたい 第六話
《ご注意》シャルマリ2次創作。大人向け。第六話「それはいくらなんですか？」松井氏はいやらしげに顎を引き、じとっとした上目遣いで、オレにむかって手のひらを不躾にかざした。「その額なんとっ、五千万円！ すごいよね!?...
View Article綺麗に抱かれたい 第七話
《ご注意》シャルマリ2次創作。大人向け。第七話初めて女を抱いたのは、１１歳の時。相手は２８歳のメイドだった。恋愛感情などまったくなかった。一度は経験しておかなければという考えから、手近なところで調達しただけだ。誰でもいいと思ったので、美しくて、金に困っているというメイドを選んだ。関係をもったあと、十分な報酬を与えて、解雇した。彼女は満足そうにどこかに去っていった。こんなものかと思っただけで、思ったよ...
View Article綺麗に抱かれたい 第八話
《ご注意》シャルマリ2次創作。大人向け。第八話ところが、ホテルにマリナはいなかった。８０１号室のチャイムをいくら鳴らしても、部屋の中から応答はなかったのである。嫌な予感がした。先ほど自分が発した言葉を振り返り、オレはゾッとした。まさか、思い余ったことをしていないか……？和矢との関係に悩んでいた彼女を弄び、マリナが心を許したと思うが否や、君じゃ勃たないよ、と言ったのだ。絶望したって不思議じゃない。激し...
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綺麗に抱かれたい 第九話
《ご注意》シャルマリ2次創作。大人向け。第九話マリナがオレを連れて行ったのは、品川駅近くの商業ビルにあるゲームセンターだった。一階がブックオフ、二階が百円均一ショップ、三階以上が遊興施設になっているということもあり、客層は若い人々が多かった。耳を裂くようなＢＧＭがうるさい。「えいっ、このやろっ、にゃろめっ！」マリナがやっているのは『ワニワニパニック』という遊具だ。ジャングルを模した緑色の機械から、ワ...
View Article綺麗に抱かれたい 第十話
《ご注意》シャルマリ2次創作。大人向け。第十話五日ぶりのパリは、曇り空だった。空港のエントランスから出た途端、真夏だということを忘れるような冷たい風が吹いており、背筋が少々冷えた。迎えの車で自宅に向かう途中、街を見渡していても、歩いている人影が少ないように思った。セーヌは白い泡が立ち、いつもより若干早い勢いで流れていた。アルディ家では、使用人たちと、ジルがオレを待っていた。オレは、療養室として使用し...
View Article綺麗に抱かれたい 第十一話
《ご注意》シャルマリ2次創作。大人向け。第十一話それから数年後。三歳になったエロイーズは、可愛い盛りとなった。「まあ、一度お嬢様を抱っこしたら、離すのが惜しくなってしまいますわ」メイドたちは誰もがエロイーズの世話焼きを率先してやった。それもそのはず、エロイーズは手のかからない子で、いつもあどけない笑みを浮かべて、与えられたおもちゃで、静かに遊んでいるのだ。誰が相手をしようともよくきゃっきゃと笑い、よ...
View Article綺麗に抱かれたい 第十二話
《ご注意》シャルマリ2次創作。大人向け。第十二話薫の話によると、マリナの両親は父親の仕事の都合でフィリピン在住、姉はニューヨーク在住、妹はニュージーランド在住、和矢の妹はアメリカ在住、よって、一歳になったばかりの手のかかる息子を預ける先がなく、親友の薫を頼ってきたのだとか。どうしてそろいもそろって、肉親が海外に住んでいるんだよ!?「友達は他にもいるけど、やっぱり一番信用がおけるのは薫だわ、っていわれ...
View Article綺麗に抱かれたい 第十三話
《ご注意》シャルマリ2次創作。大人向け。登場する国、地域は実在のものとは無関係です。第十三話これほどの大金を持って、女が一人、外国で歩き回る意味がわからないのか。オレは呆れ果てて、舌打ちをした。「殺されるぞ」「えっ？」マリナの顔に驚きがよぎった。それを恐怖にかえるべく、オレは言葉を選んで、慎重にいった。「いいか。ここは日本じゃないとさっきもいっただろう。つい数年前ま人種差別が生きていた国だ。富裕層と...
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